神経系の講義資料

小児PTのメモ

管理者が訳した走り書きなので、詳細については必ず原文をご参照下さい.

Mini-MACS:脳性まひ児の兆候のある4歳までのこどもたちのための手指操作能力分類システムの開発

Eliasson AC1, Ullenhag A1, Wahlström U2, Krumlinde-Sundholm L1.

Mini-MACS: development of the Manual Ability Classification System for children younger than 4 years of age with signs of cerebral palsy.

Dev Med Child Neurol. 2016 Jun 8.

 

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ポスター

https://www.aacpdm.org/UserFiles/file/SP22-Eliasson.pdf

 

 

 What this paper adds

・Mini-MACSは脳性麻痺の兆候のある1歳から4歳のこどものために使用できる.

・Mini-MACSは両親やセラピストが使用する場合に妥当性と信頼性に関するエビデンスを示している.

 

Mini-MACSのレベル(原文に各レベル間の相違点まで記載があります.必ず確認ください.)

レベル1:簡単に上手に手指操作が可能である.

レベル2:ほとんどの操作が可能である.しかし質、または達成速度が遅くなる部分もある.
レベル3:操作をする場合に多くの制限がある.常に介助が必要である.
レベル4:単純な動作で、非常に限られた簡単な手指操作になる.常に介助が必要で、操作自体にも援助が必要である.
レベル5:操作できない.単純な動作も困難である.

 

両親やセラピストが4歳未満のこともたちをMini-MACSを使用して評価する場合の妥当性と信頼性について.Mini-MACSはMACSを修正してつくられたものです.このMini-MACS テスト版の内容妥当性と評定者間信頼性を調査した.61名の脳性麻痺の兆候があるこどもたちの評価を実施した.父親または母親と二名の作業療法士によって64項目が評価された.両親とOT間の結果の一致性はICCによって算出した.ICCは高い値を示した.

Table2:MACSとmini-MACSの要約


Table3:mini-MACSを使用したあとの両親とOTの感想
mini-MACSは確実に簡単に理解できたか?

    こどもたちの能力は選択したレベルに適合していたか
mini-MACSのレベル間の区別は役にたったか
mini-MACSのレベルの5段階制は採点しやすいか、困難か


Table4:ICC(2.1)の結果
参考http://yoshida931.hatenablog.com/entry/2017/01/11/193759
セラピストA vs両親
セラピストB vs 両親
セラピストA vsセラピストB Table5:


Table5:セラピストと両親のレベル一致表

 

 

脳性麻痺児の痙性に対する徒手的評価と電動式評価の違い

Lizeth H Sloot, Lynn Bar-On, Marjolein M van der Krogt, Erwin Aertbeliën, Annemieke I Buizer, Kaat Desloovere, Jaap Harlaar

Motorized versus manual instrumented spasticity assessment in children with cerebral palsy

Dev Med Child Neurol, 2017,59,145-151

 

 対象は10名の脳性麻痺児(男児3名、女児7名、平均年齢11歳±3、6~14歳、GMFCS1~3).機器のでの評価は電動式フットプレートで足関節を100°/秒の速度で可動した.徒手的な評価では足の装置を使用して同じくらいの速度で可動した.関節角度、最大速度、加速度、仕事量、下腿三頭筋、前脛骨筋の筋電図を測定して、他動的なストレッチ時の徒手的評価と電動式評価を比較した.それぞれの足関節の動きを脳性麻痺児の歩行時と比較した.

 強制的な可動の分析結果はその方法によって異なっていた.機器による可動では最大加速度まで到達していた.同じ最大速度でも、下腿三頭筋は機器での測定時がより活動的で、両評価間での筋電図の波形出現開始は一致していなかった(44~72%、k<0).徒手的評価の速度分析は歩行に相応していた.

 加速度の違いが筋の反応の違いの原因であったことが考えられる.伸張反射の速度依存よりも加速度に表れていた.今後の評価機器は、歩行のような動作を再現した動作解析を標準装備するべきである. 

 徒手的な評価の際にはfreedom hand-held force transducer (ATI mini45) を足部の装具に装着した.筋電図の計測にはcometa wirezerを使用した.歩行のデータは14名の脳性麻痺児を対象として動作分析装置を使用して取られた.

 

What this paper adds

同じ速度で計測しても、異なる足関節痙性の評価方法は異種の筋の反応を惹起する.

加速の違いは異なる筋の反応の原因となっているかもしれない.

徒手的な評価は機械的な評価より歩行中の足関節の各速度に適合している.

 

Fig1: 姿勢反射を制限するために股関節屈曲70度の座位でリラックスした姿勢を保持させた.わずかな拘縮があるため膝関節20度屈曲位とした.内側腓腹筋とヒラメ筋を同時に測定.リラックスした座位で、斜めになった背もたれにもたれて計測した.徒手的な評価のために下肢をスタンドの上に固定した.

 

Fig2:足関節可動の速度と加速度について評価時と歩行時を比較した.脳性麻痺患者の代表募集団に基づいて

可動域の機能としての速度と加速度は遊脚期と立脚期で分析された.これらの歩行分析の結果は、ストレッチされた内側腓腹筋とヒラメ筋の機械的または徒手的な評価結果と比較された.ラインは平均値、影の部分が標準偏差、矢印が運動方向を示している.最大値の記載はしていない.また歩行時と評価時では可動域の差があるかもしれないが、比率(0~100%)で標準化した.

 

Table2 機械vs徒手の結果比較

脳性麻痺児の機能的遂行能力に関する筋力と持久力の混合型運動トレーニングの効果

Pediatr Phys Ther. 2017 Jan;29(1):39-46.

Effects of Combined Exercise Training on Functional Performance in Children With Cerebral Palsy: A Randomized-Controlled Study.
Peungsuwan P1, Parasin P, Siritaratiwat W, Prasertnu J, Yamauchi J.

 

この研究の目的は、脳性麻痺児の機能的遂行能力に関する筋力と持久力の混合型運動トレーニングの効果を調査することです.15名の脳性麻痺児を対象として、実験群(トレーニング群とする)と対照群に分類した.トレーニング群のプログラムは8週間実施され、週3回、1日に70分間の筋力強化と持久力強化を組み合わせたものであった.調査期間中、両群ともに通常の訓練は継続していた.8週間のトレーニング後、6分間歩行、30秒間立ち上がり、10m歩行、FRT(functional reach test)を評価した.ベースラインや対照群と比較して、トレーニング群の効果が認められた(本文のTABLE2).混合型運動トレーニングは歩行能力、機能的な下肢の筋力、バランス能力を改善した.

 

TABLE1:被験者データ

 

Fig1:ITT解析の研究計画
ITT解析(intention to treat)
意図した治療に基づく解析.症状の悪化等による被験者群からの脱落があればバイアスになってしまうので、脱落例などの不完全症例を解析対象から除外せず、割付時に割り付けた治療群に基づいて解析を行う.
引用)山本倫生, 森田智視;臨床研究のデザイン法,呼吸 34(5): 479-484, 2015.

 

Fig2:混合型運動トレーニングのイラスト

 

TABLE2:結果
評価項目は、歩行持久力(6分間歩行)、歩行速度(10m歩行)、下肢筋力(30秒間立ち上がり)、バランス(TUG、FRT)とした.ベースラインとの比較、対照群との比較を実施した.有意水準は0.5,0.1,0.01.平均値差、95%CIの記載あり.両群の比較ではベースランを共変量(共変数)とした共分散分析を実施.検定力0.8、α=0.05とした.

こども足部構造測定に関するArch Height Indexの信頼性

Pediatr Phys Ther. 2017 Jan;29(1):83-88.

Reliability of the Arch Height Index as a Measure of Foot Structure in Children.
Drefus LC1, Kedem P, Mangan SM, Scher DM, Hillstrom HJ.

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Anastasia Bjelopetrovich;Effects of Body Weight Loading on Arch Height

Arch Height Indexの信頼性を調査した.対象は30名のこども60足であった.1人目の検者は経験豊富な理学療法士、二人目の検者は小児整形外科研修医と経験豊富な理学療法士とした.座位、立位で左右ともに2回測定した.それぞれの計測は計4回測定した.平均とSDは原文のTable3を参照.ICC(2,1)により検証した.結果、ICCは全て0.76以上となった(結果は原文を参照).

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ICCは以下のページを参照ください
http://yoshida931.hatenablog.com/entry/2017/03/13/153237
http://yoshida931.hatenablog.com/entry/2017/01/11/193759

立位のためのNovel Modified Ride-On Carでにおける活動

 

Samuel W Logan, Michele A Lobo, Heather A Feldner, Melynda Schreiber, Megan MacDonald, Haylee N Winden, Tracy Stoner, James Cole Galloway
Power-Up: Exploration and Play in a Novel Modified Ride-On Car for Standing
Pediatric Physical Therapy 2017, 29 (1): 30-37

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fisher-price power wheels http://www.toysrus.com (トイザラス)

 

注)必ず原文をお読みください
この研究の目的は、身体活動と遊びに関して、健常未就学児童と1名の身体に障害をもつ児童で比較することです.未就学児童が対象.健常男児42名と障害をもつ男児1名.未就学児童の様子はビデオにて録画された.合計で教室内1637分間、体育館393分間、運動場545分間.身体に障害をもつこども (ChildA) は、ChildAは、効率的に素早く床上を動き、上下肢の交互運動もみられた.教室内では主にクラッチを使用して歩き、必要に応じて四つ這いで移動している.ChildAはfisher-price power wheelsを改良した乗りも物を(Modified Ride-On Car、以下CAR)を使用した.
体育館でのChildAは、クラッチ使用よりもCAR使用のときが1人遊びよりParallel playが多かった.運動場ではクラッチ使用しているときは座っていることがよい多くなり、走ることはより少なくなった.またクラッチ使用よりもCAR使用のときが、友達と遊ぶことが増え、先生の介入はより少なくなった.

 

(結果は必ず原文の図表を参照ください)
Table1 観察されて身体活動時間の割合.健常児群、クラッチ使用、CAR使用.
Fig3 教室、体育館、グランドで観察されたそれぞれの活動の平均時間.アスタリスクは子どもAと就学前児童とを比較して、標準偏差以上または以下の違いがあった場合.CAR使用中は身体活動としてカウントしていない.
Fig4 教室、体育館、グランドで観察された遊び方に関する平均時間の割合. アスタリスクは子どもAと就学前児童とを比較して、標準偏差以上または以下の違いがあった場合.+記号はクラッチ使用とCAR使用で10%以上差があった場合.CARは教室内では使用できなかった.

 

参考(平行遊び - Wikipedia
子供が自由に遊んでいる場面での子ども同士の社会的相互交渉を6つの分類
1) 何もしない行動(Unoccupied behavior)
2) 1人遊び(Solitary play) 
3) 傍観的行動(Onlooker behavior)
4) 平行遊び(Parallel play)
5) 連合遊び(Associative play) 
6) 協同あるいは組織的遊び(Cooperative or Organized supplementary play)

GMFCSレベルにおける運動能力と活動の関連性について

Pei-Chi Ho, Chia-Hsieh Chang, Mats Granlund, Ai-Wen Hwang

DOWNLOAD: THE RELATIONSHIPS BETWEEN CAPACITY AND PERFORMANCE IN YOUTHS WITH CEREBRAL PALSY DIFFER FOR GMFCS LEVELS.

Pediatr Phys Ther 2017 Jan;29(1):23-29

 

 

運動能力と活動に関する関連性を1年の間隔(time1、time2)をあけて調査した.対象は脳性麻痺92名であった.GMFM-66とASKp中国版(ASKp-C)が使用された.点数の変化と、運動と活動の関連性についてそれぞれのGMFCSSレベルで検証した.GMFMスコアはレベル4、5で調査機関を通して減少したが、レベル1のASKp-Cは増大した.レベル1,3または4,5における運動能力と活動の関連はで相関があった.最も高い相関を示したのはレベル4-5であった.運動能力と動作能力の長期的な変化や関連性はGMFCSレベル間で異なっている.レベル4-5において活動の経験を強化する必要がある.

GMCS、GMFMは理学療法士により検査された.ASKp-Cは両親または介助者からの問診で調査した.

 

 

原文を確認

Fig3:運動能力と活動の散布図 

GMFM66(time1)の得点とASKp-C(time2)の関連

ASKp-C(time1)の得点とGMFM66(time2)の関連

脳性麻痺児に実施されている身体活動観察に関する臨床試験計画書の展開

Nicholson K, Weaver A, George A, Hulbert R, Church C, Lennon N.

Developing a Clinical Protocol for Habitual Physical Activity Monitoring in Youth With Cerebral Palsy.

Pediatr Phys Ther. 2017 Jan;29(1):2-7.

 

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https://modushealth.com/

 

目的)ステップウォッチ(SW)は脳性麻痺児の身体活動を観察するために用いられてきましたが、標準化された手順はない. この研究の目的はSW使用の標準化した手順を作成することである.

方法)8~14日間のステップウォッチを記録した患児を分析した.スピアマン=ブラウンの公式 にしたがってその日の身体活動の最小値を決定した.平日と週末を比較して、10秒と60秒間隔で収集され分析した.

結果)98名の脳性麻痺児の身体活動データを収集した.信頼できる身体活動の表出は3日であった.終末よりも学校がある日の方がより歩数が多かった.収集した間隔には差はなかった.

結果)7日間の10秒間データ収集が望まれます.少なくとも3日間のデータ解析が必要になります.平日と週末の記載は必要です.

 

 

データは2週間さかのぼって収集された.術前、術後の歩行分析として収集されたデータを使用した.SWは1側の下肢に装着したので結果変数は歩数ではなく重複歩数とした.SWのセッティングは、それぞれの対象児の歩行パターンによって標準化され、テスト歩行100歩から正確性を検査した.重複歩の正確性は調査者が検査した.SWによって測定された重複歩数が記録された.家族は子どもの生活状況(一般的な活動、病気、特別な出来事など)を記録した.また家族にはEメールにて記録を忘れないように依頼が送られた.

スピアマン=ブラウンの公式を利用して、対象児の日常の身体活動を示すのに必要な最小日数を算出した.2台のSWを両足首に装着し、左足首は10秒間隔、右足首は60秒間隔で記録した.

 持続時間解析71名、平日と週末の解析81名、インターバル解析10名とした(原文Table1参照).持続時間解析(71名)よりGMFCSレベルに応じた必要最低日数を算出した.116個のデータ(81名)について平日と週末を比較した結果、GMFCS1,2,3の対象児は週末の活動が有意に多かった(原文Table2,Fig1参照).56日間(10名)の10秒間隔と60秒間隔には有意差はなかった.

 

スピアマン=ブラウンの公式

折半法による相関係数の算出方法.実験を一回行い、その結果を2つに折半して相関を確認します.ρ=2r/(1+r). 

 

 

必ず原文をご確認ください